VW GOLF COUNTRY ENTHUSIAST
Aエンジンまわり&電装系

 


【 ヒートエクスチェンジャー交換 】'09/11/23 NEW!!


 ※11月10日(火)業務で工場間移動の為、碧南市方面に向かう途中、目的地まであと約1kmの交差点で信号待ち〜発進直後にメーター内の赤ランプが点滅し始めました。

   冷却水温計の下で点滅していたので、『おや?水温か??? いや違うなぁ・だとすれば水位低下だな。何で?』まぁとりあえず駐車場まで行くことにして無事到着。

   フードオープンしてリザーバタンクを確認・・・水位が1/4まで低下しており、明らかに冷却水不足でした。

   エンジンルーム内の冷却水経路を一通り点検するも、洩れた形跡らしきものは見当たりません。

   次に考えられるのは、そう・・・室内のヒーターコア(熱交換器:ヒートエクスチェンジャー)だと直感! 恐る恐る足元を見た所、悪い予感は的中です。

   運転席のカロマット・シザルが、冷却水で滲みたために裏打ちしてあるウレタンシートがブヨブヨになっています。数日前から少しずつ洩れていたのだと思われます。

   見てはならない状況に愕然としながらも、とりあえずどうすることも出来ません。当日は夕方まで仕事した後、自宅直帰の予定でしたが、このまま約40kmの道程を

   冷却水(G12PLUS)を室内にぶちまけながら?帰宅できるはずも無く・・・さぁ、困ったことになってしまいました。

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   ※とりあえずヒーターへの接続ホースを取り外して配管部品で直結すれば走行可能になると考え、仕事が終わってからにしよ〜。と

  夕方、仕事を終えた時点で既に外は暗闇です。配管部品を探し回り、何とか入手することができました。(ご協力いただいた方々に感謝!)

  ところが、こういう時に限って外は荒れ模様・・・横殴りの雨がザーザー降り! 雨が弱まるのを待つしかなく、やっと小雨になった所で、

  駐車場へ向かいます。常備しているツールBOXを取り出して、LEDライトで照らしながら、バルクヘッド中央よりにある冷却水ホース接続を外し、

  予めU字型に組み付けておいた配管を差し込み、既設クリップと、念の為にホースバンドを追加しました。

  続いて、冷却水の補充ですが、車載分のボトル残量が少なかったので、不足分は、駐車場脇の洗面所の水道水を補充しました。

  小雨の中、見慣れぬクルマのフードを開け、何やら作業をしている様は、とても奇異な感じだったらしく、近くを歩く人達からは冷たい視線が・・・(笑)

  さすがにこの緊急バイパス手術の写真は、撮る余裕&デジカメもないので、後日撮影分です。 ホースをU字に接続しました。(赤矢印のように流れます。)

  この応急処置で、帰路につきました。 途中Dさんに立ち寄り、部品の在庫確認を依頼した後、無事帰宅することが出来ました。(あ〜やれやれ)

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  幸いなことに左ハンドル用のヒーターコア在庫も有りました。注文から2日後には、無事入荷しました。 さぁ〜て、いよいよ交換作業に着手です。

  まずは、バッテリーの−端子を外し 例によって、ウォーターデフレクター・ポーレンフィルターを外します。(自作フィルターは、結構汚れていました。・・・良く働いてくれてます。感謝!)
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  次に、その昔COXのフランチャイズ店等で採用されていたという方法で、ダッシュボードを外すことなくヒーターBOXを取り出すための準備を行います。

  フロントガラスの下辺りを覗くと、2本のボルトが出ているのが見えます。このナットを緩めます。 次にダッシュボードの両サイド、及び下部のボルトを外します。

  この方法で、エアーディスリビューターダクト等の脱着が容易になります。(前回のメンテ時にやってみましたが、良い方法だと思いますよ〜。)
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  CDレシーバーと、空調コントロールパネルを取り外しました。           更に、作業性を考慮して、ステアリングも外しました。
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  続いて、コンソールBOX、運転席&助手席ロアフェイシアパネル、グローブBOXを外します。 エアーディスリビューターを外す時にダッシュボードを持ち上げると楽に作業できます。
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  空調パネルの固定ボルトを外し、フラップ作動用のワイヤーリンケージを外します。この固定用クリップ(赤丸部分)を外す際は、紛失しないよう要注意です。固定位置もマーキングを!
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  次に、エンジンルーム側での作業ですが、バルクヘッド中央辺りにあるヒーターBOX固定用ボルト2本を外します。
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  いよいよヒーターBOXを取り出すためにクーラーユニットとの接続フランジの連結用クリップを外しますが・・・ここで異変に気が付きました。

  通常であれば、接続部を一周するようにクリップが装着されているのですが、前面1箇所と、奥の上面1箇所のみしかなく、クリップの無い所は、グルーガン接着剤で固定されているのです。

  それでも、その強固な接着剤を取り除き、BOXの取り外しを試みましたが、全然動きません。???何でかなぁ〜? 仕方無く小型の手鏡を使い、狭い奥を覗いて愕然としてしまいました!

  何と、本来あるはずの無いボルト(ビス)と金具で、フランジが接続されているのです。しかも上下2箇所! どう考えても、+ドライバーは入りません。(しかもスタビーサイズは持っていません)

  狭い部分に頭を突っ込み、手探り状態で、LEDライトで照らしながら、鏡とにらめっこすることに・・・さぁどうしたものか? 足が無いので、スタビードライバーを買いに行くことも出来ません。

  よく考えた挙句、仕方が無いのでコンパクトツールのドライバービット(全長約30mm)と、手持ちのジュラルミンバーを穴あけ加工し、スタビードライバーを自作して、再挑戦です。

  狭い&手が動かない状況でしたが、少しづつネジを緩めることに成功し、何とか2本のネジは外れました。・・・内心ホッとしたのは言うまでもありません。



  ※ヒーターBOXを取り出せるハズが、ぜ〜んぜん動きません。               ※やっと接続が外れ、少し引き出した所です。バキュームホースも忘れずに外します。
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  ※ダッシュボードを少し上に持ち上げてかわしながら、ついにヒーターBOXが出ました。    ※室内から見たバルクヘッド裏面です。 吸音用フェルトにクーラント飛散跡が・・・
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  ※やっとの思いで取り外したヒーターBOXです。                     ※これが今回の”主役”ヒーターコア(ヒートエクスチェンジャー)です。
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  ※どうやら上部で洩れた様子です。                            ※これが私を苦しめた”ネジと金具”です〜。(最悪!)そして自作の”スタビーちゃん”です。
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  ※とりあえず、さっさと分解します。BOXの内部は汚いです。スポンジ片も落ちていました。 ※上半分です。こっは、まだキレイ?
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  ※さあ、いよいよ新品への交換です。 VW純正品番:1H1-819-031-B Valeo社製(フランス)'09/01製造  @22,785  バルクヘッド部のガスケットは既設のものを流用しました。
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  ※ヒーターコアのガスケットも手配しました。@上部ガスケット VW純正品番:321 819 017 @630 Aサイドガスケット 7D0 819 069 @378 各々を貼りました。これで準備完了!
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     ※例のフラップもこの際、アルミテープを貼替え、表面をフェルトシート(2mm)にてカバーしました。(たまたま在庫の関係で2種類使用しました。→ソフト:茶  ハード:黒)
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  ※BOX内を洗剤で水洗い〜乾燥後、フラップをBOXに装着しました。             上下を組付け、ヒーターコアを組み込んで完成です。
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  ※分解時と逆手順で組み付けて行きます。・・・が、例のネジと金具を使える訳も無いので、この際そのまま嵌め込んだ状態で行くことにしました。(特に問題ないでしょう?)
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  ※後学のため、洩れ箇所を調べようと、ホースで水道に接続し、蛇口をひねると・・・ピュー!(笑)なんとコア上蓋の配管モールドラインから洩れていました。Valeo製 '92/7? 

   カントリーは、そもそも'91/8製造なのに、何故'92/7の部品が付いているのか・・・謎ですが、早い時期にダメになり、交換したのかも知れません。→これは、リコール対策結果と判明。
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  ※念のため、カシメ部分をばらして、内部をチェック・・・アルミパイプ内には、底部でのU字曲げ加工時の潰れ防止用と思われるスプリング状の部品が仕込んであります。 

   樹脂部分は、相当劣化が進んでいる様子で、手で曲げるように押えると、簡単に割れてくるような脆い状態になっていました。
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  ※カシメ部分のパッキンを剥がしてみると・・・うわっ! 錆がかなり進行していて、いずれにせよ寿命ですね。 今回破損部位を含め、樹脂部分は非常に脆くなっていました。 
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   修理完了後、ホース締め付け部の洩れをはじめ、各部点検を行いましたが、問題なし。 少し水温が上昇した所で、ブロアーを強めにしてみたら何と暖かいことか!

   正常な状態がこうだったんだ!と、妙に納得してしまいました。・・・と言うのも、もともとドイツ車は、暑いくらいヒーターが効くものだと聞かされていたので。

   よく考えてみたら、以前に乗っていたパサートヴァリアントも、ヒーターが良く効いていた事を思い出しました。 これで何とか寒い思いをしなくて済みそうです。めでたしめでたし・・・。



  ※今回の作業については、通常であれば恐らく8時間あれば大丈夫だと思います。(あのようなアクシデント?がなければ) しかし作業姿勢がきついこと間違いなし!

   翌日から全身の筋肉痛と、倦怠感に悩みましたが、”達成感”については、久しぶりに感じることができる作業でした。

   きっと、『二度とやりたくない作業ランキング』があれば、上位入賞間違いなしでしょう。 さあ、あなたもこのような楽しい世界をご一緒に・・・(爆笑)




  ※後日談・・・吉田@岐阜さんからの情報で、リコール届出状況が判明しました。(吉田さん、情報提供ありがとうございました。)

   →リコールNo.外-470-1  届出 '92/12/10 対象台数 160,262台 製造・輸入期間1983年09月12日〜1992年02月26日

   ヒートエクスチェンジャーの上部樹脂製タンク(ヘッダー)が強度不足の為、オーバーヒート状態に陥った際、亀裂発生〜破損。最悪の場合、噴出した不凍液(冷却水)により

   運転者が火傷を負う恐れがある。とのこと。

   確かに、あの位置で上向きに不凍液が噴出すると、間違いなくアクセルペダル側へ飛散します。

   ・・・が、今回の私の事例では、ロアフェイシアパネルによってある程度カバーされるため、直接足に掛かることはありませんでした。


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